企画展「雑誌「主婦之友」目次から見る戦時下」
日時:令和7年6月10日(火)~7月11日(金)
場所:宇佐市民図書館 2階 渡綱記念ギャラリー
雑誌「主婦之友」は宇佐市安心院町出身の編集者・石川武美によって、大正6(1917)年2月14日、創刊されました。
対象読者を「主婦」とし、大衆の生活に根ざした生活技術啓蒙誌として他誌よりも安価な価格、生活に根差した記事などで部数を伸ばしました。また、他誌に先駆けて毎号附録をつけ、昭和9年新年号では698ページの本誌に512ページ箱入りの別冊、童話絵本を含め15大附録をつけるなど、読者目線の企画が話題となりました。目次の「お願ひ 『主婦之友』は御覧の後で保存しておけば必ず大きいお役に立つ機會があります」に編集の姿勢を見ることができます。
戦争が激しくなる中、紙が配給制となり、昭和 16(1941) 年以降、日本出版文化協会が査定のうえ用紙を配給する制度が確立し、女性誌をはじめとして各誌が休刊する中、「主婦之友」はページ数を減らしながらも刊行を続けました。この年に石川武美は財団法人文化事業報国会(現 一般財団法人石川武美記念図書館)を設立。
昭和18(1943)年日本出版配給株式会社社長となり、昭和20(1945)年日本出版会会長となりました。
今回は戦争が激しくなる昭和19(1944)年・昭和20(1945)年の「主婦之友」の目次や、図書館が所蔵する「主婦之友」188冊を展示しています。目次には「ご近所で回覧してください」というメッセージもあります。東京大空襲後・終戦直前は目次もなくなり、32ページとなっています。
昭和22(1947)年出版事業とともに、女性の向上と家庭の幸福を願う理念から、女性専用の図書館である「お茶の水図書館(現 一般財団法人石川武美記念図書館)」を開館。石川武美は 昭和25(1950)年から東京出版販売株式会社(東販)社長となりました。
昭和29(1954)年「主婦之友」から「主婦の友」へ表記変更。
平成20(2008)年に休刊するまで、「主婦の友」は代表的な女性雑誌でありつづけました。
宇佐学マンガシリーズ⑥『主婦の友社創業者 石川武美』(梓書院 刊)や、石川武美略年表、同時代に活躍した宇佐出身者として、戦前の双葉山関連雑誌6点も展示しています。